梅沢富美男さんの俳句集 プレバト俳句 永世名人までの軌跡
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 Published On Mar 25, 2023

⬇︎続編(句集完成までの俳句集)はこちら⬇︎
   • 梅沢富美男さん俳句集 プレバト俳句 句集完成までの道程  

◆今回の俳句
00:00 頬紅き少女の髪に六つの花
01:58 乙女摘む一芯二葉夏は来ぬ
03:19 たいくつなコスモス風を揺すりけり
04:09 かやぶきの垂氷に溶ける空のあお
05:20 トランクの下の水たまりにも虹
07:05 蜜柑「け」とばっちゃが降りた無人駅
08:33 ざくざくと空切りひらく雪下ろし
09:27 友ふたり卒業の日の病室に
10:41 熱し砂日傘
13:26 廃村のポストに小鳥来て夜明け
15:26 鯉やはらか喜雨に水輪の十重二十重
16:51 秋夕焼機内に遺影の席ひとつ
19:06 平成の蓬冷凍庫に眠る
20:32 花束の出来る工程春深し
#梅沢富美男
#永世名人

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#プレバト #俳句 #季語

◆一部文字起こし
梅沢富美男さんの俳句を紹介します

頬紅き 少女の髪に 六つの花
季語は晩冬の季語「六つの花」です
「六花」でも六つの花と読みます
晩冬というのは今の1月頃ですね
六つの花というのは雪の子季語で雪の結晶が六角形なことに由来するそうです
こちらが梅沢富美男さんのプレバト初登場時の作品になりますがいきなり「六つの花」なんていう季語をもってきているんですね
句意(俳句の意味)は頬を赤らめた少女の黒髪に雪の結晶がついたとさせていただきました
頬の赤、髪の黒、そして雪の白と三色入っているわけです
こちら才能あり1位85点ということでいきなりロケットスタートを切るわけですけれどもプレバトの俳句の85点ってとてつもなく高い点数なんですね
私が見た中で最高得点です
才能ありでも70点が基準でどんなに高くても今だと75点とかかなあっていう感じなんですが85点凄まじいです
梅沢富美男さんの名シーンといえば夏井先生とのやりとりだと思うんですけれどもこの六つの花っていうので女性を口説いたことがあるっていう風に梅沢富美男さんが話した時に
夏井先生が「自分の句を朗々と解説するのが一番野暮」なんだよっていう風に言うんですね
もう初回からバチバチしてたのかっていう感じなんですけど
今回は梅沢富美男さんが永世名人になるまでの俳句集を紹介したいと思います

乙女摘む 一芯二葉 夏は来ぬ
季語は初夏の季語「夏来る」です
初夏というと今の5月頃ですね
俳句の意味は乙女がお茶の若葉を積んでいる
一芯二葉というのは一つの芯の先っぽに付いている二枚だけの若葉のことらしいですね
他の成長した葉っぱじゃなくてその若葉だけ摘むので苦みが少ない
だけれども絶対数が少ないですよね
なので高級なお茶ということです
その様子を見て夏が来たなぁとしている俳句かと思います
お題が茶畑と富士山なんですが茶摘みの様子を表しているんですが「茶」という言葉を使わないですよね
この点を夏井先生は評価していました
また私の感想なんですけれども乙女というのと一芯二葉という言葉がすごい相性がいいなと思いまして
乙女ー若々しい姿、一芯二葉ー若葉というところで繋がってますし
苦みが少ないや高級という言葉も乙女を形容する言葉としても通じるなと思いました
こちらの俳句才能あり1位75点となります

たいくつな コスモス風を 揺すりけり
季語は仲秋の季語「コスモス」です
仲秋というのは今の9月頃ですね
俳句の意味は風が吹くのではなく退屈なコスモスが風を起こしているのだろうかということだそうです
夏井先生は発想がまずいいということとコスモスを退屈と表して擬人化の方法をとっているんだけれどもそれがバランスよく一句に収まっているということで評価されていました
こちら才能アリ2位72点となり出演10回目にして特待生に昇格することになります
めちゃくちゃ順調に駒を進めているといった印象ですね

かやぶきの 垂氷に溶ける 空のあお
季語は晩冬の季語「垂氷」です
晩冬というのは今の1月頃の事
垂氷というのはつららのことですね
氷柱(つらら)の子季語になります
句意は茅葺き屋根の氷柱に空の青が溶けているようだとさせていただきました
夏井先生は「かやぶき」「あお」など平仮名表記のところで映像的な印象を弱めているっていうふうに言うんですね
逆に漢字の部分で光を強調する効果があると
確かに氷柱・空➡︎光のあるところですよね
そんな工夫で主役である氷柱を引き立てることに成功していると評価していました
これを聞いた梅沢富美男さんがですね「茅葺」っていう漢字を知らなかっただけなんだよなみたいなことを言うんですね
ま多分リップサービスなんですけれどもそんな二人のやりとりっていうのが番組の名物になっていくのがとても面白いなと思いました
こちらの俳句で特待生2級へ昇格することになります

トランクの下の 水たまりにも虹
季語は三夏の季語「虹」です
三夏というのは夏全般で使える季語だよということですね
夏が三つに分かれるんですけれどもその三つ全てで使える季語だよという意味で三夏
秋だったら三秋なんていう風になります
俳句の意味はトランクの下の水たまりにも虹が映っているということですね
夏井先生はトランクとすると「持つ」とか「提げる」とか説明したくなるんだけれどもそこをしていないということが一つ
また「にも」という助詞これに凡人が手を出そうとすると失敗するっていう風に言うんですけれども今回は成功しているっていう事をおっしゃいます
トランクの下の水たまりの虹を最初に見て「にも」ということは空にもあるわけで水たまりの虹に気づいて空の虹にカメラが向き直る
そんな印象を読者に受けさせると説明していました
この俳句でなんと番組史上初の名人へ昇格ということになるんですが名人”初段”へ昇格!って発表されるんですね
あの名人がゴールだと思ってたんですけどまだ段位があるのかっていうことがここで明らかになるんですが梅沢富美男さんが「約束が違う!」っていう風に怒るんですよ
この梅沢富美男さんのキレ芸みたいなところも垣間見えるそんなシーンだったんですけれども
本当にプレバト俳句にとってなくてはならない代名詞みたいな方なんだなあとしみじみと思わされましたね

蜜柑「け」と ばっちゃが降りた 無人駅
季語は三冬の季語「蜜柑」です
三冬ということなので冬全般で使える季語ですね
蜜柑という季語は面白くて「春の蜜柑」だと三春
夏蜜柑だと初夏=五月頃
青蜜柑だと三秋、秋となります
いつの蜜柑を詠むか考えても面白そうですね
俳句の意味は蜜柑を食べなさい!これが「け」ですね
とくれたおばあちゃんは無人駅で降りていったというちょっと寂しげな余韻を残す俳句かと思います
夏井先生は「読み手の想像を広げる技が秀逸!」として評価してました
まず「け」のこの表記
これで食べなさいっていうことがなんとなく初見でも分かりますよね
この表記が見事だという事をおっしゃいます
そして季節については季語「蜜柑」でしか触れられていないんですけれども読み手にお題である雪の列車であること雪国であることを想像させる奥行きがあるということをおっしゃるんですね
「け」や「ばっちゃ」から想像される方言の強く残る雪国なのかということですね
この俳句で名人4談へ昇格することとなります

ざくざくと 空切りひらく 雪下ろし
季語は晩冬の季語「雪下ろし」です
(晩冬は)1月頃の季語になります
句意(俳句の意味)は雪国の雪下ろしを下から見上げるとまるで空を切り開くようだとさせていただきました
上五(はじめの5音)で「ざくざくと」とオノマトペから始まる訳です
そしたら空が見えてくる雪下ろしの場面だと意味が流れていく訳なんですが
このオノマトペそれから語順や季語の効果といったところを夏井先生は評価していました
しかしこういった発想というのは他にもすでに詠まれている俳句が多くあるので冬麗戦というタイトル戦だったんですが惜しくも3位ということになってしまいます

友ふたり 卒業の日の 病室に
季語は仲春の季語「卒業」です
仲春というのは今の3月頃ですね
俳句の意味は入院中で卒業式に出られなかった友人を見舞い卒業を祝ったということです
夏井先生はドラマがある映像もあるっていう風に評価するんですけどドラマチックですよね
上五(最初の5音)で友ふたりと二人きりの場面であることを出しといて卒業の日と中七(真ん中の7音)で説明する訳です
ここを夏井先生は評価してましたね
卒業式ではなくてその卒業式のあとの時間のことを詠んでるんだから卒業の日となるわけです
こういった細かい配慮が丁寧になされているとも夏井先生はおっしゃっていました
そして最後も病室に「に」と余韻を残して終わって二人で祝っている様が何か俯瞰で見られているような感覚すら与えてきますね
友ふたりが交わした会話など読者に色々なドラマを想像させるとしてこの俳句で名人9段へ昇格することとなります

嬰児の 寝息の熱し 砂日傘
季語は晩夏の季語「砂日傘」です
ビーチパラソルのことですね
晩夏は今の7月頃のことです
嬰児というのが芝居用語で乳飲み子ということらしいですね
この梅沢富美男さんの職業っていうのがうまく俳句に生かされているところが梅沢富美男さんの素晴らしいところだと思うんですよ
言葉もそうですし女性を演じられる機会が梅沢富美男さん多いですので女性目線の俳句なんていうのも詠めてうまく俳句に昇華されてるなという印象なんですね
嬰児(乳飲み子)がビーチパラソルの下で母親に抱かれて寝ていると
きっと寝息も少し熱いのだろうなあということを詠んだ俳句だそうです
夏井先生は「季語にもたせた意外性」ということをポイントとしていました
嬰児の寝息の熱しまで読むと熱を出してるのかなと錯覚する読者がいますよね
その錯覚を利用して下五(最後の5音)で砂日傘とするわけです
こうすることによって あ、砂浜にいるんだ
じゃあ外が暑いんだとか母親が近くにいてその距離も近いんだとか色々と答え合わせをするそんな季語となっていると説明するわけです
へえーっていう感じなんですけれども
確かに中七(真ん中の7音)まで見ると病気の場面ですよね
季語でこんなにも印象が変わるかといったところを勉強させていただきました
実はこの俳句までに結構バチバチに添削されたりしちゃって
この一個前の査定の時に「あのババアふざけやがって」って夏井先生に向かって梅沢富美男さんが言ったっていう
ことがあったんですけど
なんか時代を感じるやり取りだなと思ったんですが
この俳句で名人10段へ昇格することになります
こちらも番組史上初のことですね
でまた10段がゴールだと思っていた梅沢富美男さんに衝撃の事実がここで発表されて
永世名人制度っていうのが発表されるんですね
また何段階か踏まないと最高位には届かないという事実が発表されるんですけども約束が違うじゃんっていう風におっしゃってましたね
ここから永世名人に向けたステージに突入することになります

廃村の ポストに小鳥来て夜明け
季語は仲秋の季語「小鳥来る」です
(仲秋=)9月頃の季語ですね
俳句の意味は被災地の廃村のポストにはもう郵便物は届かない
しかしそこに渡り鳥の小鳥がやってきた
そして夜明けを迎えたということなんですが
人のいない廃村に小鳥が来て夜明けを迎えるなんとも美しい映像がイメージされるかと思います
夏井先生はまず「優しい句だね」っていうことを言うんですね
そして展開がうまいっていう風に評価します
廃村のポスト誰もいないポストまず説明するわけですよね
そこに小鳥が来るという季語を当てるわけです
ただ小鳥が来るだけではなくて季節を忘れずにやってくるという季語のイメージが内包されてるよねっていうことを言うんですね

続きは動画で!

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